デューデリジェンス(投資対象物適正評価)
1.デューデリジェンス
不動産の売買や証券化等において、対象となる不動産を詳細に調査・診断し、投資対象としての価値を適正に評価することをデューデリジェンスと言いますが、その内容は経済的調査 (収益性分析、市場分析)、法的調査(権利関係)、物的調査(建物診断、地震リスク、環境汚染物質等)の大きく3つに区分されます。
2.エンジニアリングレポート
デューデリジェンスの中で物的調査を中心とした調査報告書は「エンジニアリング・レポート」と呼ばれます。、「不動産投資・取引におけるエンジニアリング・レポート作成に係るガイドライン2011年版(刊行:公益社団法人ロングライフビル推進協会BELCA)」に基づき作成致しまが、主な内容項目は次のとおりです。
- 立地の地理的説明(災害履歴、地盤の状況)
- 建物劣化の程度の判定、維持修繕費の予測、更新準備金の査定
- 建物耐震性能調査
- 地震による予想最大損失率(PML)の算定
- 建物の有害物質含有調査
- 土壌汚染調査
- 再調達価格の算出
- 行政法規との適合性と行政指導に関する調査(建築基準法、消防法等)
- バリアフリーに関する調査
近年、不動産の購入等に際して買主等が自らの責任と負担において、対象不動産がどのような状態にあるか詳細な調査を行うことの重要性が認識されるようになりました。不動産の所有と経営が分離する傾向が強まり、不動産の流動化、証券化の活性化に伴ってリスクの低減を図る上でその必要性は益々高くなっております。「取得→運営管理→売却→取得」という一連のサイクルを意識したアセットマネージメント(資産管理)が求められています。この不動産における投資・流通・評価・管理などに際して対象不動産の状況を把握するために、「エンジニアリング・レポート」を作成致します。
JCIA資料より